作られた炎上 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[201]


この記事を書いた人 アバター画像 琉球新報社

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7日、あるWebメディアが「美少女ゲームがフェミニストからの批判で大炎上」という内容の記事を配信しました。炎上とは、ネット上で批判が殺到し収拾がつかなくなることです。

しかし、ネット上でこのゲームが批判されて炎上しているという事実は確認できませんでした。

「炎上」という言葉にネガティブなイメージを持つ人は多いと思います。炎上したということにされると、今回の場合は「ゲーム」と「フェミニスト」双方のイメージが悪くなってしまいますね。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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先月も大手週刊誌が「人気女優のCMダンスに『嫌いになりそう』と苦情殺到」という記事を配信しましたが、企業側は苦情を否定しており、「本当に苦情は殺到していたのか?」と逆に週刊誌側への苦情が発生しました。

インターネットでは多くのニュースを無料で見ることができますが、その反面でアクセスが増えないとお金を稼ぐことができません。そのため、アクセス(お金)を稼ぐために、事実とは異なるインパクトのある見出しのニュース記事ができるわけです。

 

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こうした行為は「クリックベイト」【※1】と呼ばれています。

SNSで流れてくるニュースの見出しだけを見て「こんな事があったのか!」と私たちの感情は刺激されますが、きちんと記事を読んだり、書かれている内容をしっかり調べてみると大したことではないことに気がつきます。

見出しだけを見てすぐに反応しない【※2】ように、しっかりと情報を受け止めるように意識してみましょう。

 

※1 クリックベイト … ユーザーの興味を引くよう、派手な文字・サムネイルでアクセス稼ぎをすること。ベイトは「餌」の意味。不祥事を起こしたタレントの身内を名乗るYouTuberなどもクリックベイトの一種です。

※2 見出しだけを見てすぐに反応しない … SNS大手のTwitterは昨年9月より、記事を読まずにシェアしようとすると「見出しだけで記事の中身は分かりません」と警告する機能を段階的に導入しています。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/