データを活用し、地域課題の解決策を競うコンテスト「COG(チャレンジ オープン ガバナンス)2020」(東京大学公共政策大学院など主催)の最終審査発表会が2月28日、オンラインで開催された。沖縄県内の学生ボランティア団体VONS(ボンス)が「ハーバード大学アッシュセンターイノベーション賞」など三つの賞に輝いた。VONSのメンバーは8日、城間幹子那覇市長に受賞を報告した。
コンテストでは市民と行政が協働して解決策のアイデアを考え、発表する。応募総数は45チーム。VONSは米ハーバード大が選ぶ「ハーバード大―」のほか、協賛企業のLINE(ライン)が選ぶ「LINE賞」、視聴者投票で選ぶ「ファイナリスト銀賞」を受賞した。
VONSは昨年5月から食料支援活動(フードドライブ)「MUGムグフードプロジェクト」に取り組んでいる。活動で感じた課題の解決に向けて、那覇市のまちづくり協働推進課や情報政策課などと意見交換した。オンラインを活用し、食料物資などを集める「入り口支援者」、物資を届ける「出口支援者」、物資を必要とする各家庭・個人の3者をつなげる仕組みを提案した。
VONSの平敷雅代表(19)と屋嘉部方来(みらい)さん(19)は「COGに参加して新たな視点ができた。支援者にとっても困窮者にとっても、より良いものとなるよう行政と協働して活動を続けていきたい」と意気込みを語った。
城間市長は「皆さんの活動は那覇市のまちづくりに大きな影響を与えてくれた。『困っている人に何ができるか』という気付きを(より多くの人に)広げてほしい」と話した。
まちづくり協働推進課の比嘉恵里佳さんは「コロナ禍における学生ボランティアのムーブメントを起こしてくれた」と話した。
(中川廣江通信員、伊佐尚記)