お笑い芸人の小波津正光(まーちゃん)による、スタンダップコメディーショー「新鮮!産地直送 島笑い ちょい呑み処『お笑いニュースペーBar』」(琉球新報社・FECオフィス共催)が10日、那覇市の琉球新報社であった。観客として来場したお笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔が再び飛び入りで参加した。観客は、風刺の効いたネタで知られる2人ならではのお笑い談議に聞き入った。
コメディーについて、村本が「悲しみからの脱却というか、重いものをスーパーライトにする技術が試される」と話せば、まーちゃんは、力の弱い者が、権力のある者を言い負かしたりすれば「逆転現象が起こり、笑いになる」と言葉を重ねた。
村本は、政治家を人を安心させる薬に例えて「薬をディスる(批判する)ことは、薬で安心している人からすると不安になること」だと、ときに自分たちの笑いが万人に受け入れられない現状を分析した。その上で今の政治に疑問を持っている人にとっての薬が「お笑いだ」と応じた。
「お笑い米軍基地の笑いは共感の笑い」とまーちゃんは強調。基地の重圧に苦しむ沖縄の訴えが本土に受け入れられてこなかった歴史を踏まえ、まずは話を聞いてもらうために、矛盾を抱えて生きる「人間(そのものを)を笑えたらと思う」と力を込めた。村本は、考え方が違っても面白いと思わせるものはある、とし「自分の興味のあるもので、絶対的に笑いを取る」と熱く信条を語った。
ショー終盤には、5月に新報ホールでライブを予定しているナオキ屋も、飛び入り参加した。
「新鮮!産地直送―」は、毎週水曜日午後6時半から那覇市泉崎の琉球新報社で開催している。 (藤村謙吾)