【識者談話】部活高2自殺 不適切な指導に終止符を 「指導死」親の会・大貫隆志代表世話人


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 顧問が特定の生徒に過剰な期待をすると、まじめな生徒は厳しい練習をしたり、振る舞いを変えたりして期待に応えようとする。ところが、認めてくれるどころか、さらに過剰な要求をされ、いくら対応しても否定される。今回の事案は過去に繰り返されてきた事例と似ている。

 第三者調査チームは、短期間で事実関係を調べ上げたが、再発防止策の検討は不十分だ。挙げられた防止策は「心掛け」のレベルであり、これまでの文部科学省の通知やガイドライン、学校教育法でも指摘されている。

 それでも防げなかったことが問題であり、本当の意味での再発防止策になっていない。不適切な指導を決してできないという構造をつくらないといけない。

 「指導死」の事案は、児童虐待のケースにも似ている。家庭での児童虐待は法律で罰せられるのに、教師と生徒の間で起きることについては禁止する法律がない。権力の強弱で虐待が行われているという根本を考えないと、被害者が出続ける。もうこのような事案を出さないために、ピリオドを打つような対策が求められる。


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 さまざまな団体や組織が子どもや若者らの悩み相談に電話などで応じている。主な窓口は次の通り。

▽チャイルドライン
 (0120)997777
▽子どもの人権110番 
 (0120)007110
▽24時間子供SOSダイヤル
 (0120)078310
▽日本いのちの電話連盟
 (0570)783556
▽沖縄いのちの電話 
 098(888)4343
▽NPO法人BONDプロジェクト
 070(6648)8318