コザ高校で運動部主将を務める2年の男子生徒が自ら命を絶った問題で、第三者による調査チームは、男子生徒が自殺を図った前日に、顧問が叱責(しっせき)したことで「最後の引き金」になったと報告書で推測した。
報告書によると、顧問は同生徒に部活動の実力向上のため、校外施設にも通うよう指示していた。生徒が亡くなる前日、同生徒が校外施設へ向かうため、部活動の練習を午後5時半に切り上げようとすると、顧問は「時間が早すぎる」などと叱責した。これを受け、生徒は6時まで残って部活に参加すると伝えたが、顧問は受け入れなかった。
報告書では、このやり取りでどのような指示に従えばよいのか、どうすればしかられずに済むのかと、生徒は分からなくなり、行き場を失った可能性を指摘。調査チームは「この日のエピソードが、日常的なストレスで限界に近かった本件生徒を死に向かわせる大きな要因になった」「『最後の引き金』となった可能性が高い」と推測している。
報告書はほかに、顧問が同生徒に「キャプテンを辞めろ」などと発言し、精神的に負担を与える言葉を用いていた可能性も指摘した。
学園祭の日に顧問の指示で、生徒は部活動の雑用をし、強い憤りを示していたこともあった。
顧問と生徒への連絡にはラインが使用されていた。やり取りは夜中にもあった。調査チームは報告書で「生徒は常に緊張状態に置かれ、多大な精神的疲労を抱えていたと考えられる」とした。
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