部活高2自殺 中学・高校の体育連盟「信頼と愛情のこもった指導を」 各校責任者に呼びかけ


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 沖縄県立コザ高校2年の男子生徒が自ら命を絶った事案で第三者調査チームの報告書が公表された。県内中学校、高校スポーツを統括する体育連盟の会長らは二度と同じことが起きないよう、部活指導の在り方について改めて関係者間で認識を共有する考えを示した。

 県高校野球連盟の岩﨑勝久会長は指導との因果関係が示されたとの一報に「たまらなく残念」と声を落とした。

 今回の件を受けて新たに対応を取ることは現段階では決まっていないというが、報告書がまとまる以前、各校の責任者が集まった春季大会抽選会で今回の件を念頭に「人ごととするのではなく、信頼と愛情のこもった指導を心掛けてほしい」と呼び掛けた。

 生徒との信頼関係があって初めて指導ができるとし「(生徒が)何でも分かってくれる、指導を聞いてくれる、と指導者側は錯覚してはならない。肝に銘じないといけない」と語った。

 県高校体育連盟の上地勇人会長(小禄高校長)は「深い哀悼の意を表し、亡くなった生徒のご冥福をお祈りします」とコメント。1週間ほど前に開いた理事会で、生徒の人格を否定する発言や体罰を禁じた指導ガイドラインの順守を各競技の専門委員長と共有したという。「指導者に喚起し再発防止を図っていきたい」と語った。

 中学校体育連盟の相澤敬二会長(港川中校長)は、現場での指導の現状について「中体連は部活の活動方針というのを毎年、各学校に周知し、激しい指導、人間性や人格を損ねる発言を行わないように指導している」と説明。「港川中では2カ月に1度、各部の顧問が集まり情報共有の場を設けている。その場を活用して、互いの指導法について確認していくことも必要になる」とし、指導内容を周囲と共有することが大切との認識を示した。

 今後も「部活動顧問や学校全体で、子どもたちが本当にやりがいを感じる部活動を目指していく」と述べた。


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 さまざまな団体や組織が子どもや若者らの悩み相談に電話などで応じている。主な窓口は次の通り。

▽チャイルドライン
 (0120)997777
▽子どもの人権110番 
 (0120)007110
▽24時間子供SOSダイヤル
 (0120)078310
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▽沖縄いのちの電話 
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