遺骨収集と土砂採取、国の矛盾を指摘 具志堅さんが学習会を開く


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本島南部に残る遺骨の現状について説明する沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表=20日、那覇市内

 辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議は20日、本島南部での土砂採取に関する学習会を那覇市内で開いた。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表と、沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏の2人が、本島南部に残る戦没者遺骨の現状や、沖縄防衛局の土砂採取計画について説明した。

 約40年遺骨収集を続ける具志堅さんは、遺骨の中には雨や台風で散らばったり、風化して土になったりしたものも多いとして「どんなに時間をかけても、全ての遺骨を収容しきることは無理だ」と指摘。業者が戦没者遺骨に配慮して土砂を採取するという国の説明は「根本的におかしいし間違っている」と語った。

 厚生労働省がDNA鑑定を進めて遺骨を家族に返す事業を進める一方、防衛省は遺骨の残る地の土砂を辺野古埋め立てに使おうとしているとして「一つの政府の中で、二つの省が相反することを同時に進めようとしている。こんな矛盾は考えられない」と力を込めた。