モバイルプリンス
3月、新生活シーズンでスマホデビューをした小中学生も多いと思います。今週はスマホの「課金」【※1】について解説します。
キャラクターを強くする、あるいはカッコいい衣装を入手するために課金が必要なゲームが多いです。アプリを無料で提供し、多くの人にプレーしてもらい課金で差別化するシステムです。
ゲーム会社はより多く課金をしてもらえるよう、ユーザーの行動を分析。アップデートでゲームシステムを調整して、私たちを課金の沼へと誘い出します。
※1 課金 … スマホゲームで有料のアイテムを購入したり、動画サービスで料金の発生するプランに加入することを意味します。課金の方法は携帯電話料金とまとめての支払いやクレジットカード、またコンビニで前払い方式のギフトカードの販売もしています。
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特に課金で強さが決まる「ソーシャルゲーム」と呼ばれるジャンルは課金の上限が事実上ありません。100万円、1000万円と課金して、ゲーム内のキャラクターを強くする人もいます。
保護者のクレジットカードなどを勝手にゲームに登録して数10万円課金した小学生、課金で借金が膨らみ会社のお金を横領して逮捕された人、ゲーム課金の借金から強盗殺人に発展した事件もありました。
課金が重要なゲームは、賭博の仕組みを参考にしてユーザーの射幸(しゃこう)心【※2】をあおります。
つまり、子どもたちが手のひらのスマホでパチンコをやっているようなものですね。
※2 射幸心 … 「幸せになるかもしれない」という人間の要求を表す言葉。ギャンブル・賭博などは「射幸心をあおる」と言われていますが、ソーシャルゲームの「ガチャ」のシステムなども同じように射幸心をあおっていると指摘され続けています。
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子どもが簡単に課金できないよう保護者はロック・制限をかける必要があります。
しかし、大人になっても「課金沼」にハマる人はたくさんいるため、ロックだけでなく適切な利用を「使いながら学ぶ」必要があります。
デジタル化が進む社会において、ゲーム以外でも課金する機会は増えるでしょうが、甘く考えずに適切な利用の線引きを意識してみてください。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。