流ちょうなしまくとぅば、優雅な舞で観客を魅了 小中生が「糸蒲の縁」 中城・南上原


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 【中城】中城村南上原子ども組踊塾生による創作組踊「糸蒲(いとかま)の縁」の上演会が7日、村吉の浦会館であった。新型コロナウイルス感染拡大に伴う県独自の緊急事態宣言で一時中止となったが、宣言が解除され無事開催に至った。上演は成功に終わり、小中学生ら塾生約25人は「稽古した結果、成果を出せた」と感無量の様子だった。

創作組踊「糸蒲の縁」を上演する中城村南上原子ども組踊塾生=7日、同村吉の浦会館

 上演は南上原組踊保存会と南上原自治会の主催。感染拡大防止のため、観客は160人を定員とした。

 創作組踊の舞台は南上原にある糸蒲が中心。首里から来た役人の息子・真山戸(めーまとぅ)と地元の娘チラーが恋仲になり、引き裂かれそうになるところを、糸蒲の田芋を使った機転で成就させる物語だ。

 塾生は流ちょうなしまくとぅばを操り、優雅な舞で観客を魅了した。登場人物らによる掛け合いが会場の笑いも誘った。舞台横には日本語の字幕も映し出され、観客の理解を助けた。

 真山戸の父・金城大主(かなぐしくうふぬし)として、威厳のある演技を見せた宮城汰成さん(14)=琉大付属中2年=は「コロナで心配だったけど、開催できて良かった。緊張で背筋を伸ばせていなかったので、しっかり直したい」とさらなる研さんを誓った。

 創作組踊の前には塾生らによる琉球舞踊もあった。「谷茶前」を披露した新垣ゆうりさん(7)=琉大付属小1年=は「緊張したけど楽しかった」と話し、阿波根楓希(かの)さん(7)=中城南小2年=は「おじいちゃんとおばあちゃん、お父さんが最前列に座っててびっくりした」と語った。

 おいっ子の晴れ舞台を見に来た比嘉織枝さん(41)=名護市=は「上演は何回か見ているが、年々成長している」と塾生らを褒めたたえた。