生徒の陳情、那覇市議会が採択 仲井真中3年生が制服選択制を提案 授業の一環、条例求める


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
陳情について市議の質問に答える仲井真中学校の生徒ら =15日、那覇市議会

 那覇市立仲井真中学校の3年生がこのほど、公民の授業の一環で、さまざまな条例の制定を求める10件の陳情を同市議会(久高友弘議長)に提出した。15日の市議会教育福祉常任委員会(坂井浩二委員長)で生徒6人が陳情審査の参考人として呼ばれ、市議の質問に答えた。生徒が出した陳情のうち、制服のズボン、スカートなどを性別に関係なく自由に選べる条例の制定を求める陳情は22日の本会議で採択された。

 那覇市議会では2010年に松城中の生徒が出したバス増便に関する陳情などが採択されたことがある。参考人として中学生の意見を聴取したのは今回が初めてとみられる。

 仲井真中の3年生は授業で5時間にわたり地方自治を学んだ。伊波勝之教諭が地方自治の仕組みなどを教えたほか、前泊美紀市議から議員の仕事について講話を聞き、最後に条例案づくりに挑戦した。約30の条例案ができ、このうち10案の制定を求めて陳情した。

 15日の委員会で、「青春しよう♡条例」制定を求めた仲松虎多郎さんは「学校は勉強するだけの場所ではない。何か打ち込めることを見つけたら非行防止につながる」と趣旨を説明した。

 制服を自由に選択できる条例案の制定を求めた、島田苺凜(まりん)さんと鳥越(とりこし)星葉(ほしは)さんは「衣服から自由にすることでLGBTへの理解を深めたい。スカートでは寒い日に体調を崩すこともある」と説明した。

 そのほか、9年間皆出席の生徒に5万円を贈る条例などが提案された。市議たちは「条例のメリットやデメリット、税金の使い方をしっかり考えている」「私たちも勉強になった」と評価した。

 意見聴取の後、鳥越さんは「緊張したけど、前向きに話を聞いてくれた。積極的に政治に関わっていきたい」と話した。

 伊波教諭は「社会をつくる上で自ら考え、行動できる人を育てていきたい」と述べた。