戦没者遺骨含む土砂の使用 与党が断念意見書の提案を延期 沖縄県議会、具志堅氏ら招致へ 


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新基地建設工事への使用が取りざたされている土砂の採取現場=2月、糸満市米須

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、県議会土木環境委員会(瑞慶覧功委員長)は23日、沖縄戦戦没者の遺骨が残る可能性のある本島南部の土砂を使用する計画について、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松氏と糸満市米須の土砂採掘業者を参考人招致することを全会一致で決めた。
 併せて業者が同市内に所有する鉱山を視察する。与党が提案を予定していた土砂を埋め立てに使用しないよう政府に求める意見書案については与野党間で意見が割れたため、この日の提案は見送った。

 現場視察や参考人招致の時期については委員長が調整する。2月定例会の会期末が30日と迫る中、与野党ともに全会一致での意見書可決を目指すべきとの考えで一致している。

 しかし会期内の可決を目指す与党側に対し、野党自民や中立会派の公明は参考人招致と現場視察を踏まえた上で意見書の議論に入るべきだとしており、日程調整が不調となれば、会期内での全会一致の意見書可決は厳しい情勢となり、与党による賛成多数で可決する可能性がある。

 具志堅氏が県議会に提出した陳情書は、糸満市の業者が県に提出した開発届について、自然公園法33条第2項に基づく県による中止命令と南部地区の未開発緑地帯での土砂・石材の採取する条例の制定を求めている。23日の委員会では、参考人招致などを経て陳情を採決することになった。