英紙「ガーディアン」 具志堅隆松さんの発言紹介 辺野古新基地に南部土砂使用「戦没者の尊厳侮辱」 


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辺野古の埋め立て用土砂に沖縄戦戦没者の遺骨が残る本島南部の土砂を使う計画を巡る問題について報じる英紙ガーディアンの22日付電子版

 【東京】英紙ガーディアンは22日付電子版で、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設を巡り、防衛省が埋め立て用土砂に沖縄戦戦没者の遺骨が残る本島南部の土砂を使う計画について報じた。沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんらが「戦没者の尊厳を侮辱している」として、防衛省に計画の断念を求めていると伝えた。

 記事は東京発で「沖縄に新しい米軍の航空基地を建設するための土は『戦没者の遺骨を含んでいる』」と題した。具志堅さんが「(本島南部から採取される土砂には)沖縄の民間人、日米の兵士、徴兵された韓国人らの骨片が含まれている可能性が高い」「辺野古の基地に賛成か反対かは関係ない。人道上の問題だ」と指摘していることを紹介。計画の中止を求めてハンガーストライキをしたことも伝えた。

 玉城デニー知事も計画に反対しているとし、「戦没者の遺骨が残された可能性のある場所からの土の使用は、戦争の悲劇を経験した沖縄の人々と遺族の感情を傷つける」との知事の発言を毎日新聞の記事を引用して紹介した。

 沖縄戦については、沖縄の民間人の4分の1以上を含む20万人の日本人や米国人が亡くなり、沖縄県立図書館の話として、推定2800人の犠牲者の遺骨がまだ埋まっていると伝えた。辺野古の新基地建設に反対する市民や糸満市にある「平和の礎(いしじ)」の刻銘板前で祈る女性の写真も掲載した。