県内31自治体「貯金」減 20年度末見込み コロナで取り崩し 公庫・琉大調査


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 沖縄振興開発金融公庫と琉球大は25日、県内市町村の財政状況などについての共同調査結果を発表した。市町村の「貯金」に当たる財政調整基金残高について、31自治体が2020年度末は前年度より減少する見込みと回答した。全体の残高は、19年度末の約794億8千万円から、20年度末は648億円と、18・5%減少する見込み。21自治体が、新型コロナウイルスの対策事業のために取り崩したと答えた。特に民間事業者の多い市部の合計では、事業者への補償などで同25・9%減となった。都市部の自治体では約6割を取り崩した例もあった。

 同調査は、沖縄公庫と琉球大の獺口浩一教授、獺口ゼミの学生らが実施した。

 公庫の担当者によると、国の臨時交付金があったため、同基金の減少幅は想定よりも少なかったという。一方で、21年度以降の対策事業の財源確保を不安視する声も多かったという。獺口教授は「もう少し影響が大きいかと思っていたが、現状ではまだ持ちこたえている。しかし、21年度以降はこれまでの好調な経済を反映した税収の伸びは終わり、コロナの影響が顕著に出てくると思う」と話した。

 20年度の法人住民税について、8割に当たる33市町村が、19年度よりも減少する見込みと回答した。平均では同20%減の2億6866万円の見込みで、市部平均は同21%減、町村部は同12%減を見込んでいる。新型コロナウイルスの影響によって経済状況が悪化し、企業の利益が減少していることが主な原因という。

 個人住民税については同3・3%増の見込みだが、21年度以降は減少するとみる自治体が多いという。

 市町村独自の新型コロナ対策事業費の合計は、322億4716万円となった。事業者向けの協力金や補助金など、雇用維持と事業継続を目的とした事業費が34%と最多を占めた。

 沖縄公庫は、今後、自治体が取り組むべきこととして、自治体が所有する資産を活用することなど5項目を挙げた。