自閉症の亀島さん、宜野座高に合格 普通科での学びに意欲 父「似た特徴持つ子の希望に」


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宜野座高校普通科に合格した亀島輝人さん=20日、名護市二見の自宅

 【名護・北谷】名護市の小中一貫教育校「緑風学園」を卒業した亀島輝人(てるひと)さん(15)がこのほど、宜野座高校普通科に合格した。自閉症があるが、両親や周囲の協力の下、合格を成し遂げた。4月から始まる高校生活に胸を膨らませている。

 輝人さんは4歳まで言葉を発しなかった。入学した北谷第二小学校では特別支援学級に在籍した。当時は周りとうまくコミュニケーションが取れず、不安感が強くなると、パニックになったり、物に当たることがあったりしたという。

 それでも父・薫さん(62)と母・信愛(しんあい)さん(60)の希望もあり、通常学級の児童と一緒に学ぶ「交流学級(協力学級)」の授業にも参加した。記憶力が抜群で、全国各地の電車の駅名を全部覚えていたほどだ。文章を読み解くのは苦手だったが、自分の気持ちを長い文章でつづることはできた。小学生の時の日記には習っていないはずの難しい漢字が並ぶ。

 成長するにつれ、落ち着いて生活が送れるようになり、北谷中では主に交流学級で学んだ。中学3年の2学期からは親の仕事の都合で、緑風学園に転校した。受験を意識する時期に差し掛かり、薫さんは普通高校で学んでほしいとの思いがあり、輝人さん本人も普通高校への進学を希望したことから、宜野座高校の受験を目指した。

 受験に向け、特訓が始まった。帰宅後は、主に信愛さんが勉強を教えた。受験当日、輝人さんは緊張したが実力を出し切ることができたという。合格した時は大喜びした。両親と共に勝ち取った合格だった。

 薫さんは「輝人の合格が似たような特徴を持つ他の子の希望になればと願う」と語った。輝人さんは「高校生になったら好きなゴルフや数学を頑張りたい」と意欲を見せた。