「おはようございます」。中城村立中城南小学校の宮平守市校長は修了式があった24日朝、いつものように交通安全指導に立った。児童らに「(横断する信号が点滅していたら)少し待っててね」と声を掛けた。
同校に着任した2018年4月から台風による休校を除き、ほぼ毎朝、校門前に立ち続けた。31日、定年退職となる。校長として全校児童に会うのは、24日が最後。児童らも「ありがとうございました」と感謝した。
宮平校長は12年4月から校長職になり、校門前に立ち始めた。同校の校門前には信号がある。児童らが安全に登校できるようにと、猛暑や雨の日も立ち続け、声を掛けてきた。
「1日のスタートをあいさつで迎えたい。校長は子どもたちに声を掛けて明るく迎え入れるのが大切だ」
退職を知った児童らが校長室を訪れ、「校長先生、やめるの?」と聞いた。宮平校長は答えた。「校長先生も今年で卒業ですよ」
31日、35年間の教員生活に別れを告げる。「まだ実感がない。児童らが春休みに入ったら、寂しくなるかもしれない」。児童らに優しいまなざしを送った。
(吉原玖美子)