中学生までの医療費「窓口支払い不要」40市町村に 22年度の助成拡大に伴い


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 2022年4月から県内の全市町村で中学卒業まで通院費助成の対象が拡大することに関し、今帰仁村を除く全ての市町村が、窓口支払いの必要がない「現物給付」を実施する方向で検討していることが県社会保障推進協議会のアンケートで分かった。今帰仁村は「検討中」としている。26日、同協議会が県庁で記者会見し、明らかにした。

子ども医療費無料制度の高校までの拡充や現物給付を求める県社会保障推進協議会の高﨑大史事務局長(左端)ら=26日、県庁記者クラブ

 アンケートは今月2日から23日にかけて実施した。既に高校卒業まで現物給付をしている名護市、国頭村、大宜味村、渡名喜村の4市村を調査対象から除外し、37市町村から回答を得た。「現物給付」を実施していないのは24市町村で、このうち23市町村が現物給付の方向と回答した。同協議会の高﨑大史事務局長は「那覇市の現物給付導入が各市町村を動かす大きな役割を果たした。『子どもの貧困を何とかしてほしい』という保護者の声や県、市町村が共鳴し合って動いた」と評価した。

 22年を待たずに、前倒しで現物給付を導入すると回答したのが宜野座村、嘉手納町、与那原町、沖縄市、久米島町。高校卒業までの拡充を検討中が粟国村、南風原町、豊見城市。

 現物給付を実施する市町村に、国はいわゆる「ペナルティー」として国民健康保険国庫補助金を削減している。同協議会は、政府にペナルティー廃止を要請することを県に求めた。浦添市長や中城村長など県内13市町村が国のペナルティー廃止と、18歳までの子ども医療費無料制度実現を求めるアピールに賛同メッセージを寄せたという。