「三板、音楽授業に」西原・小中生12人、練習に熱 沖縄三板協会 普及へユーチューブ開設


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三板を学校の音楽授業でも取り入れてくれることに夢を膨らませながらお揃いのTシャツで練習に励む「ひやみかち」の子どもたちと講師の當間清子さん(左)=6日、西原町中央公民館

 【西原】沖縄の伝統軽打楽器「三板(さんば)」の普及を目指して三線と共に積極的に練習に取り組んでいる児童生徒がいる。沖縄三板協会(杉本信夫会長)の理事講師で野村流伝統音楽協会教師でもある當間清子さん(69)が指導している「子ども三線ひやみかち」のサークル。西原町中央公民館で毎週土曜日の午前9時半から2時間練習に励み、三板のリズムが教室に響きわたることに夢を膨らませている。

 会員は小中校生12人で、サークルの結成は2003年。當間さんは「沖縄の伝統芸能には欠かせない打楽器で、しかもコンパクトで気軽に取り組める。どんな音楽にも合わせられるのが最大の魅力」と強調。通常のカスタネットにさらに板が1枚加わった三板はより複雑なリズムを刻むことができるという。その奥深さを子どもたちに伝えている。「感性が柔らかく習得も早い」と表情が和む。

 サークルに入って4年目の山城未鈴さん=西原東小6年=は「先生の指導は厳しいが練習はとっても楽しい。ぜひ学校でも音楽授業に取り入れてほしい」と願う。

 三線や琉舞をたしなむ両親の影響で興味を持ったという仲宗根まひるさん=同1年=は「三板も練習して両親と一緒に舞台に立ちたい」と声を弾ませた。

 語呂合わせで3月8日が「三板の日」と日本記念日協会に認証、登録され、沖縄三板協会が設立されてから今年で20周年。毎年盛大に行われてきたイベントはコロナ禍で2年連続中止となったが、今年は8日から沖縄三板協会のユーチューブチャンネルでミニ講習会も含めた動画が配信されている。

 同協会の山本勇理事長は「20周年の節目に三板の学校音楽への導入を県教育庁に申し入れる検討をしていきたい」と話す。(岸本健通信員)