オリオンビール幹部53人が研修 SDGs先進例学ぶ


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
リコージャパンの米谷正児さんを招いて開かれたオリオンビールの社内向けSDGsセミナー=25日、豊見城市の同本社

 オリオンビール(早瀬京鋳社長)は25日、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)への全社的な実践を広げようと、SDGsセミナー「オリオンウェイの浸透に向けて」を豊見城市の本社で開き、全役員と管理職計53人がオンラインも併用して参加した。国内でも先進的な取り組みで知られるリコージャパン(東京)の米谷正児さんを講師に迎え、SDGsの意義や具体的な活動例などを学んだ。

 米谷さんは、ビジネスにも環境や社会の視点が不可欠となった世界的な潮流を説明し、「お金・人・地球は、どれかを優先するのではなく、同じ立ち位置で語られる」と述べ、発想の転換の意義を説いた。その上で、「SDGs推進はビジネスチャンスになり、人材確保や社員のやりがいにつながる」と述べた。

 後半は、両社の参加者が現場の実情や課題を踏まえて意見を交わした。

 社会貢献活動への参加を巡り、リコー側からは誰でも取り組みやすい事例として、(1)給与の100円未満の端数を寄付する(2)書き損じたはがきをまとめて寄付する―などの活動が報告された。担当者は「押し付け感を薄め、自由意思を大切にすることがポイント」などと語った。

 早瀬社長は「社会的課題の解決は1社では難しいが、他社から学び、連携を広げることが近道であると確認できた。沖縄の課題解決を目指すコミュニティーをつくりたい」と話した。

 オリオンビールは経営ビジョンに「社会」や「持続性」を掲げ、環境や社会への貢献を重視するESG投資についての勉強会を開くなど、SDGs推進に向けた取り組みを強化している。