【深掘り】県議会が終わったのは午前4時35分…22年ぶりの未明決着 何があったのか?


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31日未明の本会議で時短要請協力金に関する補正予算案を全会一致で可決する県議会=31日午前3時21分、本会議場

 3月30日閉会予定だった県議会2月定例会は、新型コロナ感染防止に向けた時短要請協力金の対象地域を巡る与野党攻防の末、審査が31日未明に及ぶ異例の展開をたどった。本会議が終わったのは午前4時35分。与野党協議や審査が未明まで及び定例会の会期が延長されたのは稲嶺県政下の1999年以来、22年ぶりだ。

 与野党攻防のきっかけとなった時短要請協力金に関する補正予算案は定例会最終日前日の3月29日に提出された。30日の本会議で2021年度当初予算案の可決後、予算特別委員会が招集された。委員会では与野党とも感染拡大防止の観点から予算措置の必要性に言及し、委員会採決でも予算案は全会一致で可決された。

 その後、委員会で野党の自民が、議会としての意思を示すために補正予算に係る「決議」を出すべきだとして与党側に打診した。しかし与党側は県が持つ執行権を侵害しかねないとして補正予算とは別に感染防止協力等に関する決議にすべきだと譲らず、議論は平行線が続いた。

 決議案の議論では、与野党双方とも県に対し「新型コロナウイルス感染症により影響を受けている、さまざまな業種に対し経済支援策を強化すること」では一致しているものの、協力金の対象地域を巡り意見が対立。与党は時短要請が私権の制限につながねないとして、「感染状況に応じて」対象を拡大すべきだとの立場を示した。一方、野党は、地域からの要望や感染予防の観点から対象地域を限定することなく、全県一斉での時短要請すべきだとの立場を示した。

 与野党協議が続く中、野党側は複数の与党県議に水面下で自民案に乗るよう説得を試みたが不発に終わった。与党幹部の一人は「最終的には与党が結束し予算も副知事人事も全て通した。与党の結束力が高まった定例会となった」と総括した。

 (吉田健一)

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