沖縄戦で記録が消失したりするなどして所有者や相続者が不明になった県内の所有者不明土地について、法務省は24日、今国会で審議中の関連法案で売却などの処分が可能になると明らかにした。管理する自治体や、土地が所在する自治会の代表らが「利害関係人」になり得るとの認識も示した。衆議院法務委員会での屋良朝博衆院議員(立民)への答弁。
屋良氏は、沖縄戦で土地所有者が亡くなったり、不動産登記書類や戸籍などが消失したりし、土地の所有関係を確認することが難しくなった土地が県内に複数存在している問題を指摘。内閣府と県が2012年から18年にかけて実施した調査で「こうした土地が1505筆、89万6225平方メートルに及ぶ」とした。
こうした土地は、沖縄振興特別措置法で、県や市町村の管理下にあるものの、「利害関係人が存在しない土地は処分されず、問題が解消される見込みがない」とし、新法案で問題に対応できるかをただした。法務省の担当者は、新法案で土地の売却などの処分が可能になる利害関係人の選定基準について「個別の事案ごとの判断によるが、事案によっては(県や市町村の)利害関係が認められるケースもあり得る」と答えた。
所有者不明土地によって自治会の活動が阻害されている場合などに「自治会長が(利害関係人の)申し立てをすることがあり得る」との認識も示した。