飲食業界の常識を覆した「佰食屋」の中村朱美さんが語るピンチの乗り越え方


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講演に聞き入る企業関係者ら=3月18日、名護市宮里のホテルゆがふいんおきなわ

 【名護】北部法人会の地域社会貢献活動特別講演会が3月18日、名護市宮里のホテルゆがふいんおきなわで開かれた。京都市内で飲食事業や不動産事業を展開する「minitts」代表の中村朱美さんが「逆境に負けない強い中小企業の在り方~with コロナ after コロナの時代に向けて~」と題して講演した。中村さんは「ピンチのときに行動するのは難しいが、じっとしていてはコロナは乗り越えられない。世の中をよくするため、少しでも新しいサービスを始めよう」と呼び掛けた。

 市内の企業関係者など約40人が会場を訪れた。

中村朱美さん

 中村さんは100食限定で国産牛ステーキ丼などを提供する「佰食(ひゃくしょく)屋」を展開。ランチのみ100食に限定し(1)食品廃棄ゼロ(2)希少価値による集客力向上(3)従業員の残業ゼロ―という利点を生み出し飲食業界の常識を覆した。働きやすさから主婦や高齢者、障がい者らが長期で勤務しているという。

 新型コロナウイルスの感染拡大や国の緊急事態宣言の影響について「売り上げが下がり、さんざん悩んだが4店舗のうち2店舗を閉めることになった」という。その上で「転んでもただでは起きない。1年間の計画的な集客作戦を立てた」として(1)他社に先駆けてテークアウトに切り替え(2)オフィスでの忘年会や新年会、卒業シーズンに自宅でのお祝いを提案―などの戦略が奏功したことを説明した。

 経営者の責務については「従業員を不安にさせず、お客を楽しませること」と強調。「誰よりも早く、誰よりもたくさん行動した方がより多くの応援を集める」と述べ、コロナ禍を乗り切る心構えを伝授した。