激戦地土砂使用「市民が抗議を」豊見城の男性座り込み 市議会の意見書否決受け


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 【豊見城】「市民として声を上げたい」。豊見城市議会が沖縄戦戦没者の遺骨が残る可能性のある沖縄本島南部の土砂を、埋め立てに使用しないよう国に求める意見書を否決したことを受け、市内でトマト農家を営む金城博俊さん(43)=根差部=は3日午後1時から豊見城市役所前で抗議の座り込みを始める。市議会に同意見書を再度採決し、可決するよう求める署名も募る。抗議は体調を見ながら8日まで続ける予定だ。

豊見城市議会が意見書を否決したことについて「無理はせず、自分ができる形で抗議の声を上げたい」と話す金城博俊さん=2日、本島南部

 市議会は3月26日の定例会最終本会議で、意見書を野党の反対多数(賛成8、反対9、退席4)で否決した。翌日、友人の大田弥生さん(43)=那覇市=から否決を知らされた金城さんは絶句した。

 自分にできることはないかと考え、28日にハンガーストライキをしようと思い立った。だが、持病があり週3回透析治療を受けているため、病院と相談すると、返事はノーだった。諦めきれず、朝夕はおにぎり一つ、昼はゆでたまご1個を食べることを提案し、「血圧を診ながら」「無理はしない」という条件で承諾を得た。

 これまで保守系の議員に投票したこともある。名護市辺野古の新基地建設反対の座り込みに参加したことはない。

 「自分はどちらかというと保守だ」と言う。それでも、遺骨が眠る土砂が埋め立てに使われる可能性があることに「人道的に間違っている」と抗議する決意を固めた。

 午前はトマトの収穫、透析がある日は夜に抗議をする。「仕事しながら抗議、透析しながら抗議」を合言葉に「無理せず、自分の日常の中で声を上げる」。金城さんは自身に言い聞かせるようにこう言った。「市民が声を上げないと」

(照屋大哲)