◇興南優勝 沖縄尚学に4―0(4日、アグレスタジアム北谷)
試合にいくつかある勝負の分かれ目の一つが六回表にあった。
沖尚先発の仲宗根大斗は不安定な立ち上がりで先制は許したが、三~五回は安定した投球。この回も先頭に本塁打されたが、変化球でカウントを稼ぎ、打者を打ち取るいつものリズムを徐々に取り戻していた。
1死を取り、次打者も2―1と追い込む。ただ次の1球が痛かった。ストライクゾーンを狙うあまり、フォームが前のめりに崩れたという。「リリースポイントが後ろにずれ、甘く入った」。中堅にはじき返されて出塁を許す。2死を取ったあとの8番打者との対決も、2球で追い込んでから適時打を許し、3点目を与えた。「あの失点は絶対に許しちゃいけなかった」と悔しがった。
投手出身の比嘉公也監督は「1点の重みを知った9イニングだった」と失点の場面を課題に挙げた。点差が広がったことで、攻撃の選択肢が狭まったことを念頭に「無駄な失点をしないこと。(仲宗根は)次期エースとして、試合を通じて学んだ」と悔しい一球を今後に生かすよう願った。
球数制限がある中、一人に頼り続けることはできないが、仲宗根は「エースがいないとチームも勝てない」と敗戦に奮い立つ。監督からの期待を胸に刻み、投手陣の柱として夏のマウンドで取り返す。
(上江洲真梨子)