日本、韓国、台湾で共同発掘を断念 「本部町健堅の遺骨を故郷に帰す会」が解散


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沖縄戦戦没者の遺骨を探す共同発掘作業の様子=2020年2月10日、本部町健堅

 【本部】沖縄戦中、朝鮮人2人を含む14人が埋葬された本部町健堅の土地で、遺骨発掘作業に努めた「本部町健堅の遺骨を故郷に帰す会」が3日、解散を発表した。民有地で広域かつ、長期間の発掘を続けることは難しいと判断した。

 共同代表の沖本富貴子さん(71)は「遺骨が見つからず非常に残念だ」と述べた。

 同会は2019年7月に発足。昨年2月に本部町健堅の民有地で日本、韓国、台湾の若者による共同発掘作業をした。人の背骨とみられる骨3片が確認されたとしたが、その後のDNA鑑定で動物の骨と判明した。

 1945年発行の米紙「LIFE(ライフ)」で、瀬底島を背景にした墓標が14本並んでいる写真が掲載され、健堅に戦没者が埋葬された事実が明らかとなった。埋葬された14人のうち12人は米軍の攻撃を受けて沈没した輸送船「彦山丸」の乗組員だった。戦後、何度か盛り土され、墓標の位置が変わってしまったという。