豊見城市議会の土砂採取意見書否決に抗議 座り込みに共感広がる 署名715筆に


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金城博俊さん(右)の抗議と署名活動に賛同し、座り込みに参加した豊村秀子さん=6日、豊見城市役所前

 【豊見城】沖縄戦戦没者の遺骨が残る可能性のある土砂を、埋め立てに使用しないよう国に求める意見書を豊見城市議会が否決したことを受け、市根差部のトマト農家金城博俊さん(43)が豊見城市役所前で座り込みの抗議を始めてから、6日で4日目となった。賛同した市民も加わり、人工透析を必要とする金城さんに代わって座り込んだ。金城さんは市議会に同様の意見書の可決を求める署名も募っており、6日現在、715筆が集まった。

 金城さんは、午前は最盛期を迎えているトマトの収穫があり、月、水、金曜日の午後には慢性腎不全による人工透析のため、座り込む時間は限定されている。合間を縫って座り込む金城さんの下には、中学生が「南部の土砂使うな」と記した手作りのプラカードを携えて訪れた。別の若者はウオーキング中に激励し、高齢者は「俺は保守だけどね」と言って署名した。部活帰りの高校球児も署名した。

 金城さんも「じわじわと反響が広がっている」と実感している。座り込みの様子はツイッターなどでも拡散され、新基地建設が進む名護市から訪れる人もいた。

 「私は何をしているのか。家に座っていられない」。市高安の豊村秀子さん(73)は本紙の報道で金城さんの抗議行動を知り、協力したいという思いが高まった。金城さんとは初対面で、金城さんが不在の時間帯に座り込んでいる。

 金城さんは「時間がなくて、分身したいくらいだった。とてもありがたい」と、豊村さんに何度も頭を下げた。

 抗議と署名活動は8日まで。7日は正午から、8日は午前10時から、いずれも午後9時まで市役所前で実施している。
 (照屋大哲)