空自、有毒PFOSなど指針の128倍検出 「ない」訂正し謝罪 泡消火剤流出


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 航空自衛隊基地那覇基地から泡消火剤が流出した事故で同基地は7日、ウェブサイトで調査結果を公表した。消火剤が流れ込んだ基地内水路で回収した汚染水から有機フッ素化合物の一種PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)が検出されたとし、基地司令名で謝罪の言葉を添えた。事故は2月26日に発生し、基地は当初「PFOSは含まれていない」と説明していたが、琉球新報の記者が現場近くで採取した泡からPFOSが検出されていた。

 PFOSは1リットル当たり3010ナノグラム、PFOAも同3380ナノグラム検出され、合計は6390ナノグラムだった。国が定める暫定指針値は、PFOSとPFOAの合計で水1リットル当たり50ナノグラムで、指針の128倍となる。

 基地司令は「事案発生当時、基地外に飛散した泡消火薬剤にはPFOSが含有されていないと公表しましたが、調査結果から一定のPFOSが含有していたことが判明しており、お詫びし訂正する」と声明を出した。

 別の有機フッ素化合物PFHxSも同3040ナノグラムが検出されている。

 同基地はPFOSを含む消火剤から、PFOSを使わない消火剤に交換した直後だったが、配管内にPFOSの成分が残っていたと分析した。交換時、配管を洗い流さなかったという。同基地は「基地内水路の上流・下流について那覇市の分析結果と異なる傾向が見られたため、再度分析する」と説明した。

 空自は当初、PFOSは含まれておらず「毒性や損傷性はほとんどない」と広報していた。しかし、琉球新報の記者が現場近くから採取した泡を京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)が分析した結果、PFOSが検出された。
 
 那覇市も4月7日午後、PFOS、PFOAが合計で水1リットル当たり360ナノグラム検出されたとの調査結果を発表している。

 本紙は7日午前、調査結果の公表時期を尋ねたが同基地は「検討中」として明示しなかった。