リアル過ぎ!食虫植物の巨大レプリカ 実物の数百倍、海洋博公園に登場


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食虫植物のレプリカを制作する徳平國広さん =3月16日、沖縄市与儀

 特殊造形を手掛けるOBJET(オブジェ、沖縄市、徳平広宣社長)が制作した食虫植物のレプリカが、教材として生かされている。2代目で会長の徳平國広さん(63)が約2カ月かけて制作した。レプリカの大きさは実物の数百倍。リアルさを追求して、研究を重ねたという。レプリカは今後、植物の生態を学ぶ教材として、海洋博公園の熱帯ドリームセンターで活用される。

 徳平さんは立体造形に携わって約40年。制作した看板などは約600を数え、その魅力について「平面でないところが深い」と語る。造形の基本となるデッサンの練習は怠らない。

 食虫植物のレプリカ制作はスケッチから始まった。海洋博公園から受注後、担当者と打ち合わせを重ね、植物の生態を一から学んだ。科学的な知見に基づきつつ、不気味さを強調するために実際よりも濃い色で表現した。「制作期間中はモデルのことをいくらでも話せる。期間限定の専門家だ」と笑う。

 これまで沖縄こどもの国のアーケードや安室奈美恵さんの「♡(ハート)ポスト」などを手掛けてきた。日本キリスト教団・首里教会の「旧会堂塔屋」が復元された際には、銃弾や砲弾で損傷した十字架を複製した。戦争体験者などへの聞き取りから、戦禍の惨状を複製に落とし込んだ。

 今後は、沖縄市山内に完成した「沖縄アリーナ」の場所にあった闘牛場のジオラマ制作に挑戦したいと意気込んでいる。ジオラマには情景や感情が投影されているといい、「かつての闘牛場の熱気を表現してみたい」と夢見ている。