双子兄弟パイロット訓練生に 2人の夢へ第一歩 そろってJALグループに入社


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
琉球エアーコミューターに入社した知念寛幸さん(右)と日本トランスオーシャン航空に入社した尚誠さん=7日、那覇空港

 沖縄県北谷町出身の知念寛幸(ひろゆき)さん(24)と尚誠(なおあき)さん(24)の双子の兄弟が、そろってパイロット訓練生としてスタートを切った。幼い頃からの夢に一歩近づき、「生まれ育った沖縄に恩返しがしたい」と意気込む。

 兄の寛幸さんは琉球エアーコミューターに、弟の尚誠さんは日本トランスオーシャン航空に入社した。2人とも幼いころから飛行機が好きで、自然にパイロットになりたいと思うようになった。

 飛行機に乗って離島や県外に家族旅行に行ったことも多く、寛幸さんは「人と人とを結ぶ飛行機に魅力を感じていた」と話す。休みの日にはよく2人で那覇空港の展望デッキや空港近くの瀬長島に行き、飛行機を眺めていたという。

幼い頃の寛幸さん(左)と尚誠さん。よく遊びに行った瀬長島で飛行機を眺めていた=豊見城市の瀬長島(提供)

 高校卒業後、そろって第一工科大学(鹿児島県)の航空工学科に進学した。実機での訓練など高校まではできなかった授業が新鮮で、朝から晩まで勉強漬けの日々を送った。

 コロナ禍で航空業界の採用枠がなくなる不安もあったが、「もし採用がなくなっても、再開した時に必ず受けると決めていた」(尚誠さん)と気持ちはぶれなかった。

 喧嘩することもあるが、共に「ライバルで一緒に高め合える存在」という。内定通知をもらった時のことを「自然に涙が出た。自分でもびっくりした」と尚誠さんは振り返る。

 将来は機長として飛行機を運航するのが2人の夢だ。「安全にお客さんを目的地に運んで、信頼されるパイロットになりたい」と笑顔を見せた。