9日の定例会見で玉城デニー知事は、米軍普天間飛行場の返還合意から25年を迎えるが返還が実現していないことについて「県が日米政府と協議する場すら与えられていない状況は看過できない」「沖縄の基地問題は沖縄だけの問題ではない」と強調した。この25年間で同飛行場所属機による墜落事故や部品落下事故が相次いだほか、外来機の飛来が増幅し航空機騒音も激化するなど「負担軽減に逆行する状況」だと危機感を示した。
返還が実現しない最大の理由は「県民の頭越しに日米で合意した計画に固執していること」であると分析。「名護市辺野古への移設では普天間飛行場の一日も早い危険性除去にはつながらない」と述べ、「『辺野古が唯一』というロジックに陥ることなく、日米両政府は民主主義を尊重し、沖縄との真摯(しんし)な対話に応じてほしい」と訴えた。
昨年4月10日に同飛行場で発生した泡消火剤流出事故については「県民に不安を与えたものであり、決してあってはならない事故だった」と振り返った。その上で、今後も米軍や関係機関に対し「引き続き再発防止に万全を尽くすよう求めていく」と述べた。