
米軍普天間飛行場の返還に日米両政府が合意してから25年を迎えた12日夕、同飛行場には山口県の岩国基地からFA18戦闘攻撃機4機が相次いで飛来し、夕方の周辺市街地に爆音を響かせた。沖縄県によると、宜野湾市上大謝名地域で最大115・8デシベルが記録された。返還合意から四半世紀がたっても、米軍機による飛行が周辺住民に被害を及ぼす実態は何ら変わらず、深刻さは増すばかりだ。
110デシベルは間近で聞く自動車のクラクションのうるささに相当し、120デシベルは人間の聴力の限界に迫るとされる。
在沖米海兵隊は12日夕、普天間飛行場内で訓練の様子を本紙などに公開した。海兵隊によると今回の飛来は、12~17日に伊江村の伊江島補助飛行場を中心に行う訓練の一環。離島などに補給や攻撃の一時的な拠点を構える戦略構想に関連して訓練を展開する。
12日は滑走路が短い場合などを想定し、ワイヤを機体に掛けて短距離で着陸する訓練を実施した。機体に異常が見つかったことを想定した緊急対応の動作も確認した。
FA18は米カリフォルニア州ミラマー基地の所属だが、部隊展開計画(UDP)で岩国基地に駐留している。飛来後、給油して離陸した。午後8時ごろ、再び着陸した。この後、嘉手納基地に移動して数日とどまる。
1996年4月12日、当時の橋本龍太郎首相とモンデール駐日米大使が共同会見で普天間飛行場の返還に合意したと発表した。
