明成社の教科書「顕彰碑」を「慰霊碑」に訂正 一中健児之塔 


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文部科学省の教科書検定に合格した明成社の「歴史総合」。一中健児之塔のキャプションで「顕彰碑」と紹介している

 文部科学省の教科書検定に合格した明成社の「歴史総合」が、沖縄戦で亡くなった県立第一中学校の学徒などを慰霊する一中健児之塔(那覇市)を「顕彰碑」と記述していた問題で、同社が記述を「慰霊碑」に書き換える訂正申請を文科省に申請し、9日付で受理された。「ひめゆり部隊」との記述も「ひめゆり学徒隊」に改める。

 記述を巡っては、元学徒らが「戦争を美化する」として反発の声を上げていた。同社は一中健児之塔を管理する養秀同窓会に対し、記述を訂正する意向を示していた。

 文科省によると、同社の訂正申請は2件のみだった。沖縄戦に関する説明で「軍官民一体となって激しい戦闘をつづけた」と、市民が戦闘に積極的に参加したかのような誤解を与えかねない記述についての訂正申請はなかった。

 検定に合格した教科書は2022年度から使われることになる。21年度中に全国の高校が採択作業を行うため、教科書会社各社は現在、学校や都道府県教育委員会などに配布する見本を製作中だ。見本配布後も生徒への配本までは訂正を申請できる。