沖縄県、採掘業者に措置命令へ 激戦地土砂問題「政治判断」で調整


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名護市辺野古の新基地建設埋め立て使用で批判が上がっている土砂採取場所=2021年2月、糸満市米須(小型無人機で撮影)

 沖縄県糸満市米須での土砂採掘を巡る問題で、県は16日までに、自然公園法に基づく開発届を出した業者に対し、何らかの措置命令を出す方向で調整に入った。措置命令には禁止や制限、環境保全に必要な措置の要求など、さまざまな段階がある。沖縄戦の遺骨が残る本島南部から名護市辺野古の新基地建設に使用する土砂が搬出される可能性があり、中止命令を出すよう県に求める声が上がっている。

 原則として業者の届け出から30日以内で判断する必要があるが、何らかの処分を行う場合は弁明の機会を与える必要があり、そのために検討期間を延ばすことができる。県幹部の一人は「結論はまだで、最後のすり合わせをしている」とする一方、「法的に難しい点もあるが、県民の思いをくんで政治判断せざるを得ない」と語った。

 届け出のあった土砂採掘予定地は沖縄戦跡国定公園内で、沖縄戦戦没者とみられる遺骨が見つかっている。遺骨収集ボランティアの代表者らが採取計画の中止を求めてハンガーストライキなどを実施していた。