女性社員向けオンライン診療開始 沖縄セルラーなど2社 県内企業で初めて導入


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Well Being Roomを紹介する沖縄セルラー電話の産業保健師の内間裕美子氏=14日、那覇市松山の沖縄セルラー電話本社

 沖縄セルラー電話(湯淺英雄社長)と沖縄通信ネットワーク(仲地正和社長)は14日、月経など女性の健康の悩みに対応する「オンラインピル外来プログラム」を導入したと発表した。月経や更年期の症状など女性特有の体調変化について、オンラインで産婦人科医の問診を受けることができる。両社の女性社員と、社員の女性家族(1親等まで)を対象者とする。メドレー(東京)のオンライン診療・服薬指導アプリ「CLINICS」を使ったシステムで、県内企業で導入するのは初めて。

 アプリに個人情報やクレジットカード情報を登録し、受診する医療機関と受診日を選択する。受診料や薬代はアプリ上で決済も可能で、処方箋が出た場合、薬は配送される。ピルの処方も受けられる。

 セルラー社の保健師や一部の社員から、「(女性が)働きながらでも通院しやすい環境をサポートできないか」と要望があったことから、導入を決めた。

 日本医療政策機構の2018年調査によると、女性の52%が女性特有の症状によって勤務先で困った経験をしたことがあるという。特に下腹部が痛む月経痛や、眠気や感情が不安定になるなどの月経前症候群などで悩む人が多い。

オンライン診療を体験する沖縄セルラー電話の嘉陽田海里さん=14日、那覇市松山の沖縄セルラー電話本社

 今回の対象医療機関は、医療法人海秀会うえむら病院とNaoko女性クリニックの2施設。Naoko女性クリニックの高宮城直子院長は「症状があっても、産婦人科は敷居が高いと我慢している人も多い。働く女性のパフォーマンスにも影響している」と話す。

 沖縄セルラー電話は、社内にプライバシーが保護される「Well Being Room」を設置し、オンライン診断を受けやすい環境を作った。常駐する保健師との面談もできるなど、気軽に体調の相談ができるようにした。

 問診を体験した沖縄セルラー電話営業本部の嘉陽田海里さん(24)は「睡眠や生活習慣など、自分でもできるアドバイスが聞けて良かった。今後も利用したい」と話した。

※注:高宮城直子の「高」は旧字体
※注:嘉陽田海里の「海」は旧字体