「国境」の誓い、沖縄復帰50年で再現へ  国頭村と与論町が海上集会


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 沖縄の復帰前に北緯27度線で行われた「沖縄返還要求運動海上集会」を再現する事業を、国頭村が鹿児島県与論町と連携して、2022年に実施する方向で検討を進めている。
 復帰50年を記念し、復帰運動の継承や両町村の友好を深めることが目的。海上集会は12年に初めて再現した。かがり火の点灯や両町村の子どもたちの交流など、関連行事の実施も検討中。具体的な日程や事業の詳細などは今後、与論町と協議を進める予定。

海上での出会いを喜び、万歳する参加者=2012年4月28日、北緯27度線付近海上
本土代表団が乗船する船の周囲に沖縄船が続々集まり、21年間の離別がこの一瞬は一体となった=1966年4月28日、北緯27度線

 海上集会は1963年~69年、サンフランシスコ平和条約の発効日の4月28日などに実施した。復帰を目指していた沖縄側と、53年に先に復帰を果たした与論町側の関係者が漁船などで海上の「国境」に集い、沖縄の早期復帰を訴えた。

 知花靖国頭村長は「来年は50年という節目の年になる。過去の歴史を振り返り平和を願う機会になってほしい」と述べた。山元宗与論町長は「具体的な話はこれからだ。国頭村の復帰記念事業に協力し、さらに友好関係を深めていきたい」と語った。

 海上集会に参加経験があり、両親が両町村出身の青山惠昭さん(77)は「開催できれば喜ばしいことだ。ぜひ参加して与論の人と交流したい」と声を弾ませる。一方で「本土復帰から50年になるが、米軍基地問題がいまだに解決していない」と話した。

(長嶺晃太朗)