琉球古地鶏をジビエに から揚げ、コンフィ…シェフ「可能性ある食材」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
琉球古地鶏の料理を説明する小杉浩之シェフ=3月24日、今帰仁村古宇利島のフレンチレストラン「6 six(シス)」

 【今帰仁】沖縄で方言名「ファートゥヤー(ファードゥイ)」と呼ばれていた在来地鶏を「琉球古地鶏」の名称で繁殖している「農業生産法人今帰仁アグー」(髙田勝代表)は、鶏肉をジビエ料理として提供する試食会を3月24日、今帰仁村古宇利島にあるフレンチレストラン「6 six(シス)」(小杉浩之オーナーシェフ)で開いた。

 琉球古地鶏は、2020年9月に広島大学生物生産学部家畜育種遺伝学研究室の西堀正英教授との共同研究でゲノム解析を進めていており、日本や中国のグループではなく、インドネシア、フィリピンのグループに入ることが分かり、今後、学会で発表する予定。

 一日中動き回り昆虫など餌をついばんでいるため野趣あふれる筋肉質の鶏肉は調理が難しく、小杉シェフは水から煮込んでだしをとった中華風スープに、一夜干しのから揚げやコンフィ、島に自生しているカラシナとマスタードをあえたシャンパンソースのソテーなど3種類を紹介した。

 小杉シェフは鳥の巣をイメージした食器やサバイバルナイフなどで視覚からも楽しませてくれた。「野生の肉の持つ素材の良さや本質をいかに出すか。可能性がある面白い食材で固定概念を壊し冒険することで進化させていきたい」と述べた。

琉球古地鶏のコンフィとから揚げ

 年間千羽超の生産量が課題という生産者の髙田代表は「小杉シェフのようなジビエ専門家が取り扱ってくれるのはありがたい。食べてもらうことで種の保存につなげ維持していきたい」と思いを述べた。

 今後、シスは予約制で琉球古地鶏と旬の食材を取り入れた20種のフレンチコース料理の提供を予定している。問い合わせはシス(電話)0980(56)3733。

(喜納高宏通信員)