選択的夫婦別姓求める経営者の会が全国署名 沖縄からも賛同経営者


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 選択的夫婦別姓制度の実現を求める企業経営者19人が有志の会を発足させ、全国の企業や団体の経営者を対象にオンラインで署名を集めている。県内から賛同したのは17日時点で少なくとも4人。署名した経営者からは、仕事上の不利益を指摘し別姓も選べるよう望む声が上がった。

 「旧姓使用では難しい場面が何度もあった。新しい仕事を立ち上げる前に、名前を戻してすっきりさせた」。一般社団法人「マッタラー」の親川志奈子代表(40)は、事実婚に切り替えた経緯をこう説明する。

 2010年に法律婚をしたが「改姓はアイデンティティークライシスだった」といい、旧姓を名乗った。大学で非常勤講師も務めており、海外で活動する際にパスポートと名前が違うため、申請が通らないなど不都合が多かった。学童運営の事業を始める前の19年、ペーパー離婚した。「それぞれの意思が尊重されるよう、別姓も選べたらいい」と話す。

 改姓による不利益を訴える声は根強い。「おとなワンサード」の富田杏理代表(40)は離婚歴があり、小学生の娘を育てるシングルマザー。改姓で煩雑な手続きを強いられた。「経営者の場合は、会社の登記簿の変更などさらにお金も手間もかかる。シンプルに生まれ持った名前でいられるようにしてほしい」

 那覇市で学習塾「ゆい塾」を経営する依田徹代表(54)は「いつまで女性に負担させ続けるのか。選択できるようになるのは良いことで、制度導入に何ら問題はない」と強調した。

 署名を呼び掛けているのは「選択的夫婦別姓の早期実現を求めるビジネスリーダー有志の会」。ドワンゴの夏野剛社長と、サイボウズの青野慶久社長が共同代表を務める。署名は25日まで募り、5月に菅義偉首相らに提出する予定。