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沖縄の進学率の状況 全国と開き、支援充実を<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 沖縄県が集計した「学校基本統計」によると、わが国の高校や大学への進学率は増加傾向にあります。2020年3月の卒業生を対象にした高等学校等および大学等の進学率(全国)は、高校等進学率98.8%、大学等進学率55.8%で、10年前(10年3月)に比べておのおの0.8ポイント、1.5ポイント上昇しています。

 就学意欲の高まるわが国の進学状況ですが、ここで各国の進学状況をまとめたデータがあります。

 参考として国連教育科学文化機関(ユネスコ)の調査によると、社会・教育諸条件や調査対象の定義の差異等はあるものの、わが国の第3次教育(大学、専門学校含む)への総就学率(09年時点)は59%となっています。他の先進国を見ると英国は59%、豪州が82%、米国の86%などで意外にも日本は低位に位置し、超学歴社会といわれる韓国は100%と極めて高い数値が特徴的です。

 一方、本県における高校、大学への進学率(20年3月卒業時)は、高校等進学率が97・5%、大学等進学率が40・8%となり、10年前との比較でおのおの3.2ポイント、4.2ポイントと全国以上に増加傾向が際立ちます。

 特に大学等進学率では初めて40%超えとなるものの、全国比で15ポイントと大きな開きがあります。

 こうした開きの要因として、大学等の集中する首都圏への地理的要因や家計上の理由などが考えられます。

 本県の今後の進学率の向上を見据え、希望する学生全員が就学機会を平等に享受できる教育面のサポート態勢の充実が望まれます。
 
(おきぎん経済研究所主任研究員 野原長武)