ごみを“楽器”に演奏会 教育と社会貢献つなぐ 沖永良部 学生ら実践研修


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海ごみを楽器にして開かれた即興演奏会=鹿児島県の沖永良部島

 【沖永良部】一般社団法人えらぶ手(て)帖(ちょう)(かまゆきみ代表)が主催する「e.lab(イーラボ)長期教育研修」は、総まとめとなる沖永良部島現地研修を3月8~13日の日程で開催した。鹿児島、福岡、兵庫、石川、宮城から8人の大学生が沖永良部島に集まり、それぞれが考えた教育プログラムを島の小中学生と共に実践した。

 研修に参加した鹿児島大4年の福島伊風さんは、知名町の沖泊海浜公園で「音を奏でるビーチクリーン」を企画。ドラム缶やプラスチック容器、空き瓶など、海岸清掃をしながら大小さまざまなごみを集め、それを“楽器”にして即興演奏会を行った。子どもたちは歌に合わせてリズムを奏で、息の合ったパフォーマンスを披露した。

 福島さんは4月から小学校教諭になる。「子どもたちの好きなことを社会貢献につなげることがこの企画の狙い。これからも一人一人が自己表現できる場をつくっていきたい」と目を輝かせた。

 昨年9月からオンラインでスタートした本研修には、教育に関心のある全国の大学生11人が参加。フィンランドでの教員経験を持つ知名町地域おこし協力隊の地下(じげ)智隆さんが北欧教育の事例などを紹介し、かまさんが問題解決型学習(PBL)などの手法を用いた研修を展開してきた。

 かまさんは「厄介な海ごみも、視点を変えれば学びの種になる。このフィールドを生かして地域に根付いた教育の形を模索していきたい」と語った。
 (宮澤夕加里通信員)