【識者談話】障がい者の無人駅利用「社会に訴える行動は必要」仲根建作・県脊髄損傷者協会理事長


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仲根建作さん

 伊是名さんのブログを読むと、JR小田原駅で対応した駅員は、その無人駅には行けないと即答しているように感じた。さまざまな対処を検討した上でそう言うのならいいが、最初から「できない」と言うのは障害者差別解消法の合理的配慮という観点からみると適切ではない。

 車いす利用者として電車に乗る時の困り事はいろいろで、「ちょっとお待ちください」と言われて30分待たされたり、事前連絡をしなければならなかったりする。障害者差別解消法の観点から、公共交通機関の利用も一般の方と同じような利用形態を目指すことが必要だ。

 社会への問題提起に対して攻撃的な声が出るのは悲しいし残念だが、障がいがある人でもそれぞれ価値観や経験が違う。障がい者自身が声を上げて制度が整備されてきた歴史から、伊是名さんのように社会に訴える行動は必要だ。声を上げないと社会は変わらないので、私はその行動に感謝したい。

 障害者差別解消法から禁止法に移行し、すべての人に移動の権利が保障されてほしい。そのためにも、公共交通事業者の研修に当事者が出向いていくような関係づくりをしながら、地道に対話を重ねていくことが大事だ。

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