改良型ミサイル「中SAM改」を報道各社に公開 自衛隊知念分屯地


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報道陣に公開された03式中距離地対空ミサイル(中SAM改)の発射装置=16日、南城市の陸上自衛隊知念分屯地

 自衛隊沖縄地方協力本部(沖縄地本、那覇市)は16日、南城市の知念分屯地で報道各社向けの勉強会を開催し、昨年度に全国で初めて同分屯地に配備された改良型の03式中距離地対空ミサイル(中SAM改)を公開した。八重瀬と勝連、白川の陸上自衛隊分屯地に配備されている中SAMの改良型で、戦闘爆撃機や巡航ミサイルを撃墜できる。旧型より射程やレーダーの能力が向上し、低空の目標物への対処能力が増したほか、より高速の目標物にも対応できるようになった。

 有事の際は、沖縄本島の航空自衛隊と米陸軍に配備されている地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が弾道ミサイルなど高度が高い目標を撃墜し、中SAM改は低空の敵に対処することが想定されている。沖縄本島の中SAMは順次中SAM改に更新する。

 中SAM改の部隊は、射撃用レーダー装置や射撃統制装置、発射装置、ミサイルを運搬する装置が搭載された、それぞれの車体を一式として運用する。

 勉強会では沖縄地本本部長の坂田裕樹陸将補が沖縄周辺の情勢についても講話した。経済発展を遂げ、軍事力も日本を超えた中国は近い将来、台湾に侵攻する可能性があると主張した。坂田本部長は「今、中国は第2次世界大戦開戦前夜の日本の状況と似ている。東アジアは現在、歴史上、最も緊張が高まっている」と語った。