そろばん10段「飛び級」合格 沖縄県内初 次の目標は全国入賞


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
県内初となる飛び級で珠算10段に合格した石塚日向希さん=15日、浦添市の宮城珠算学校

 【浦添】浦添市の宮城珠算学校に通う石塚日向希(ひなの)さん(9)=港川小4年=が、全国珠算教育連盟主催の珠算検定試験で最高位の10段に合格した。石塚さんは県内初となる8段から10段への“飛び級”合格で、本人も「驚いている。お母さんたちみんなからお祝いしてもらってうれしい」と満面の笑み。指導者の宮城忍人校長は「そろばんを始めてわずか5年での10段合格はすごい。彼女は非常に素直で集中力がずばぬけている」と称賛する。

 石塚さんが宮城珠算学校に通い始めたのは4歳の時。きっかけは母の麻里江さんの存在。麻里江さん自身も段位持ちで、さらに、日向希さんの兄、弟もそろって珠算学校に通う有段者で、そろばん一家だ。

 そろばん王国として名高い沖縄は珠算、暗算ともに10段の取得者数が全国一。県内の珠算10段の取得者は201人で、9歳7カ月での10段取得は2番目の早さ。珠算10段は暗算より種目も多く、難易度は高い。かけ算、割り算、伝票算、暗算、列挙した数字を足し引きする見取り算、平方根を求める開法の6種目全てで280点以上(300点満点)を取ることが10段合格の条件となっている。

 そろばんが大好きな石塚さんは月~金曜日は毎日3時間、週末はさらに増え、5時間の練習を積み重ねることで難関を突破した。「つらいと思ったことはない。友達もいて楽しい」と笑顔。10段合格のお祝いとして母親からずっと欲しかった漫画「呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)」を買ってもらったという。最高位を獲得した今、次なる目標に全国大会での入賞を狙う。「まずは、読み上げ算など苦手な種目を克服する」と意欲を語った。