バレーボールの平安杯第66回全九州総合選手権(高校の部)県予選会兼国体選手選考会は19日、豊見城市民体育館で男女決勝リーグの残り試合を行った。男子は2勝1敗で西原、美里工、首里が並び、セット率で西原が優勝。女子も2勝1敗でセット率の争いとなり、那覇が頂点に立った。男女の上位2チームは全九州総合選手権(5月14~16日・福岡県)の出場権を獲得した。
堅守西原 ブロックにさえ/美里工に快勝 KBC杯雪辱
西原は美里工戦で2枚ブロックを用いて相手エースをうまく封じ、序盤につかんだ流れを最後まで渡さなかった。常にリードを保ちストレート勝ち。堅守でボールをつなぎ、パワフルな攻撃へと展開した。
サイドアタッカーの安仁屋光葉は主に守備で貢献。「崩れそうになった時も飛び込んで拾いにいった」と気迫のレシーブでピンチを救った。
ミドルアタッカーの宇良公旗は「首里戦で負け、立て直そうと話し合った。美里工には2月のKBC杯で敗れていて、気合が入っていた。みんなが集中してベストの力が出せた」と胸を張った。嫌な雰囲気を引きずることなく、各選手が見違えるような動きで快勝した。
今月赴任したばかりの伊江周二監督は「セッターの城間健慎が特に踏ん張ってくれた。レシーブが乱れても2本目を拾って、いいトスを上げてくれた」と評価した。課題として「派手なことをしたがる選手が多く、パス一つとっても九州では通用しない。高い打点から丁寧にコースを突く攻めが必要になる。初心に戻って基本を徹底したい」と熱いまなざしを選手に向けた。
(大城三太)
経験と自信、那覇収穫/九州見据え、課題も忘れず
粘り強いレシーブが持ち味の那覇だが、小禄の壁は破れず全勝は飾れなかった。強豪・西原が出場辞退しており、手放しで喜べる優勝ではなかった。
小禄戦、1セット目で左の金城光映がネットに沿うような鋭角アタックで得点を量産。しかし残りのセットは守備の乱れやスタミナ切れからリズムが崩れた。長嶺沙耶は「アタッカー一人一人の決定力や、ブロックする技術を上げないといけない」と課題を挙げる。
収穫もあった。準々決勝でシードの首里を接戦で破ったことだ。金城は「ライバル意識が強く、いつも負けている相手に勝てて勢い付くことができた」と大きな経験と自信を得た。伊江智子監督は「スパイクを強化し、身長が低いなりに相手ブロックも利用して強弱を付けて攻めたい」と九州を見据えた。