少年の大麻摘発、過去最悪26人 全体の17.6% 沖縄県警「まん延状態」


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 2020年における県警の大麻取締法違反の摘発件数は140件、摘発者数は147人で、このうち少年(未成年)は全体の17・6%に当たる26人いることが21日、県警のまとめで分かった。摘発者数全体は前年比11人増、未成年摘発者数は同3人増で、過去最悪となった。10年前の11年に大麻取締法違反での摘発は33件、24人で少年の摘発はゼロ。14年から増加傾向に転じ、この10年間で摘発件数は約4倍、摘発者は約6倍と増えている。

 県警による20年の覚醒剤取締法違反摘発件数は44件で、摘発者数は30人で、過去10年で最少だった。少年の摘発はなかった。

 県警関係者は、会員制交流サイト(SNS)の普及で以前よりも違法薬物情報が身近になり、若年層の薬物汚染に拍車が掛かっていると見る。「覚醒剤と比べ、大麻は生産から流通までを国内で賄える上、安価で流通しやすい。県内では数年前から未成年者の薬物使用が目立ち、まん延状態といえる」と話した。

 大麻を巡っては、20年10月、県立高校の男子生徒が大麻取締法違反容疑で逮捕された。19年にも高校生ら12人が大麻取締法違反の罪で摘発された。米軍属を通して高校生に大麻が渡る事件もあった。県内の若年層への薬物汚染の深刻さが浮き彫りとなっている。

 警察庁は8日、20年の大麻事件の摘発者数が前年比713人増の5034人で過去最多を更新したと発表した。7年連続で増加し5千人台は初めて。20代が2540人(590人増)で全体の半数を占め、14~19歳も887人(278人増)に上った。若年層による乱用拡大は全国でも大きな懸念となっている。

▼【特報】沖縄県警が高校生らを覚醒剤所持容疑で逮捕 SNSで密売か

「沖縄手押し」「アイス」…隠語で違法薬物密売か

中高生の摘発後絶たず 未成年の薬物汚染、深刻に

小中学生4人が飲酒 ウイスキー「万引した」

大麻は問題行動のない「普通の子」の手にも…