2月中旬、本島南部の高校生(当時)を含む少年3人が覚醒剤取締法違反や大麻取締法違反の容疑で県警に逮捕、送検された。高校生らは会員制交流サイト(SNS)で客を募り、県内の友人や不特定多数の客に、覚醒剤などの違法薬物を密売していたとみられる。捜査関係者によると、少年らの自宅からはビニール袋に小分けにされた大麻数グラムが押収されたという。
捜査関係者などによると、覚醒剤取締法違反容疑の現行犯で逮捕された少年(16)は「知人の少年から、届けるよう頼まれた」などと話している。高校生らが密売に使用していたとみられるSNS上には、県内での違法薬物密売を意味する隠語の「沖縄手押し」や、覚醒剤を表す氷(アイス)の絵文字が複数、書き込まれていた。
SNSで客を募り、ダイレクトメール(DM)などで受け渡しのやりとりを行っていたという。高校生らが逮捕された2月中旬以降、SNSの更新は途絶えた。県警関係者は「少年らは一見して、悪びれた様子はない。外見はどこにでもいそうな、普通の高校生や少年に見える」と印象を明かす。
県内の高校で生活指導などを担当する男性教諭は「高校生たちの間で大麻が広がっているという話は、数年前から頻繁に耳にしていた。何度も事件になったが収まる気配はない。たばこ感覚で大麻を扱う高校生らに、罪の意識は感じられない」と憤る。教育機関や行政による薬物対策が後回しにされているとし、若年層の薬物汚染の実態把握が急務だと主張する。
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