沖縄、変異株の陽性率が38%に増加 感染力強い「N501Y」


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新型コロナウイルスの変異株の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 沖縄県は23日、県内で14~20日に新型コロナウイルスへの感染が判明した132人の検体を調べ、宮古島市の12人を含む57人に感染力の強い「N501Y」の変異株が見つかったと発表した。県内のN501Y変異の確認は計150人となった。

 県衛生環境研究所では75人を検査し、37人にN501Y変異を持つ変異株が見つかった。民間の検査機関では、57人の検査で20人に変異株が見つかった。1週間単位のN501Yの陽性率は23日時点で38・2%となった。21日時点での陽性率が25・5%だったのに比べ、徐々に増えている。

 県衛生環境研究所と民間を合わせたN501Y変異を持つ陽性者の、地域別の内訳は南部保健所管内で28人、那覇市と宮古島市で各12人、中部保健所管内で3人、北部保健所管内で2人。南部保健所管内と那覇市を中心に本島全域と宮古島市にも広がっている。

 宮古島市では、県衛生環境研究所だけで検査した13人のうち9人にN501Y変異が見つかっており、陽性率は約7割。加えて民間検査機関で3人に変異株が確認された。

 「N501Y」の変異株は、関西ではすでに主流で感染が急拡大する一因となった。東京や愛知でも急速に置き換わっている。

 県内でこれまでに確認されている変異株は、N501Yのほか、ワクチンの効果が低下する可能性が指摘される「E484K」が106人、米カリフォルニア州を中心に拡大し感染力が強いとされる「L452R」が1人。変異株の感染者の合計は257人となった。