旧暦2月の「ひのえね」にあたる3月29日、多良間村内の海岸で伝統行事の「ウプリ」が行われた。祭事をつかさどる二才頭(ニッサイガッサ)や字の役員を中心に害虫を「虫船」に乗せて海に沈め、豊作を祈願した。
ウプリは害虫よけの行事で、早朝に害虫を捕まえてきてクワズイモの葉で包み、木の枝で作った虫船に乗せる。干潮時を見計らい、虫船を携えた字の役員が沖まで泳いで行き、海中に沈める。
泊御嶽の二才頭、仲筋常美さんは「島中が豊作になるようにと願って害虫を沖に流した。良いことだけが訪れますように」と語った。 (清村めぐみ通信員)