CO2出さずに太陽光パネルをリサイクル 新見ソーラーが開発 うるま出身・佐久本社長「循環型社会目指す」


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新たな太陽光発電パネルのリサイクル装置と、新見ソーラーカンパニーの佐久本秀行社長(同社提供)

 うるま市出身の佐久本秀行氏(45)が社長を務める、太陽光発電パネル開発・販売の新見ソーラーカンパニー(岡山県新見市)がこのほど、二酸化炭素(CO2)を排出せずに太陽光発電パネルをリサイクルする装置を開発した。佐久本社長は「今後、パネルの廃棄は増加すると見込まれている。太陽光発電パネルを扱う事業者として、地球環境を良くしていきたい」と話した。

 佐久本社長によると、これまで太陽光発電パネルのリサイクルは、粉砕機などを使ってガラス部分と他の部分に分離する方法で、リサイクル率は70%程度だった。同社の開発した装置は、装置内で加熱してから分離することで、ガラス以外の銅線や太陽電池素子(セル)、接着剤などもリサイクルすることを可能とした。リサイクル率は95%以上で、理論上CO2を排出しないという。

 標準的なサイズのパネルの場合、1日に約20枚をリサイクルできる。国内特許と国際特許を出願中で、中国の実用新案にも登録を申請しているという。

 国内では、2012年に固定価格買取制度(FIT)が導入されて以降に、太陽光発電設備の導入が急拡大した。太陽光発電パネルの寿命は一般に20~30年とされている。資源エネルギー庁の推計では、35~37年ごろに年間17~28万トンの廃棄が生じると予測されている。
 佐久本社長は「太陽光発電パネルの製造、販売からリサイクルまでの工程を一元的に担うことで、循環型社会の実現に貢献できる。美しい地球を次世代へという創業理念を実現したい」と話した。

 同社は移動式装置の開発にも取り組んでいるという。同社は、販路拡大などに取り組むパートナー企業を募っている。問い合わせは同社(電話)0867(88)8217。