石垣島と離島間の買い物を代行 「てぃだくくる」社 事業資金募る 大型店で購入、船で運送


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離島住民の買い物代行するサービスを始める「てぃだくくる」の平良匡代表社員(左)と執行役員の今田敦之さん=石垣市内(平良代表社員提供)

 竹富島や西表島などの離島住民のため、買い物を代行するサービスの提供を目指し3月、石垣市で会社が誕生した。業務内容は、離島住民が求める品を市内の大型店を巡り安く買い求め、船で離島まで送り届けるサービス。同社は本格的な業務開始を目指し、5月23日までクラウドファンディングで資金を集めており、6月1日からの本格始動を目指している。
 資金を募っているのは「てぃだくくる合同会社」。同社代表社員で、自身も西表島での生活経験もある平良匡さん(36)によると、大型スーパーがない離島住民は日常の買い物に一苦労という。
 船に乗り石垣島まで行き、生鮮食品や日用雑貨を買い込み、また船に乗って島に戻る。1回で大量に買い物をするため、石垣での移動にはレンタカーを借りる人もいる。
 島から出るための交通費、石垣での移動費、買った商品を運ぶために運送費もかかる。金銭的な負担に加え時間も使う。市内の量販店で配送担当としても働く平良さんは、離島住民が苦労して買い物する様子を見続けてきた。
 さらに医療体制がぜい弱な離島では、新型コロナウイルス感染症の不安もつきまとう。「自分が感染したら島に帰れない」「観光客と(船で)隣に座るのが怖い」。いずれも平良さんらに寄せられた離島住民からの声だ。
 手数料は1万5千円までの買い物は1500円で、1万5千円を超えると買い物代金の10%となる。民宿など法人も利用でき、その場合は15%の料金となる。別途、貨物船の代金が必要だが、住民が離島から出るための交通費や時間は抑えられる。
 同社は23日から暫定的に法人向けにサービスを開始したが、現在は平良さん個人の車を出すなどして対応する。今後は大量の荷物を運ぶための車や、生鮮食品を保管する冷蔵庫などが必要となるため、ネットで寄付を募るクラウドファンディングで200万円を目標額に資金を集めている。専用サイト「CAMPFIRE」で、社名を検索することで参加できる。
 平良さんは「新型コロナから島の安全を守り、住民の暮らしを良くしたいと思っている。この活動を通じて離島の生活を多くの人に知ってほしい」と話している。