開示請求をしたインフォームド・パブリック・プロジェクト代表の河村雅美氏の話 「個人情報」という虚偽の理由で、公衆衛生領域を担う保健医療部がデータを隠蔽(いんぺい)したのはなぜなのか。単発の「黒塗り」問題として捉えるべきでないと考える。県行政の空気感として特定の産業への配慮があり、情報開示の場でそれが表れたとしたら、深刻な問題だからだ。
今回隠された情報については、県のコロナ対策の科学性、透明性から考える必要がある。コロナ対策は、科学的データを基に策定されるべきものだ。
今回隠された箇所は、第2波を検証し、その後の基本路線策定のためのデータとなる部分ではないだろうか。県民にデータを隠し、玉城デニー知事の言う「エビデンスに基づく」政策が信用できるのか。また、会議の非公開や議事録の不在で、このデータが誰に共有され、政策決定にどのように反映されているかどうか検証さえできないのが現状だ。
感染症対策で行政と市民の信頼関係は重要な要素だ。透明性の問題で、県は今回の問題でさらに信頼を失った。県は今後、情報の「管理」に走ることなく、信頼構築の面から透明性を高める必要がある。