女子差別撤廃条約、国連の質問に回答できず 政府内で調整難航


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 【東京】内閣府が国連から求められている、女性差別撤廃の取り組みに関する質問事項について、期限を過ぎても回答できていないことが27日、分かった。同日に行われた参議院法務委員会での高良鉄美氏(沖縄の風)への答弁で明らかになった。内閣府は「関係省庁とのやりとりに時間がかかっている」としており、現時点で回答のめどは立っていないという。

 回答が遅れているのは、男女共同参画社会の実現を目指し、女性の人権や基本的人権を守る目的で締結された「女子差別撤廃条約」の批准国に送られる質問事項。国連の女子差別撤廃委員会が、女性への暴力根絶など女性差別撤廃に向けた取り組みの進行具合などを評価するために30項目程度の質問への回答を求めている。国連は昨年3月に外務省を通して質問を送付し、3月までの回答を求めていた。

 内閣府男女共同参画局が回答を取りまとめる予定となっていたが、「回答のめどが立たない状況だ。回答時期は、なるべく早くというふうにしかお答えできない」(同局担当者)という。

 林伴子内閣府男女共同参画局長は27日の法務委員会で、提出遅れの理由として「昨年12月に閣議決定された第5次男女共同参画基本計画の内容を回答に反映させる必要がある」点や、関係省庁との調整難航を挙げた。質問した高良氏は「回答を出すことで国連からの対応もある」とし、内閣府や外務省に迅速な対応を促した。